嘉数中日記第414回     平成3年2月20日

「天声人語」を書き写す


写本は取り組み始めて3年半。3年間通してやり通したのは現3年生が1期生となります。






 3年間という時間は本当に凄いなと感じています。毎週その週の一番印象的な出来事を全校生徒で書き写す。2015年4月から2018年3月までの話題を全員が知っていて、そのことについて56期卒業生全員で話すことができるのです。凄いと思いませんか?
 「あんなこと、こんなこと、あ〜、あったね!いいこと書いてあったよね!」って、5年後の成人式で思い出すことでしょう。例えばこんなステキな文章を・・・・紹介します。

 天声人語書写:2月19日(火)実施

 チョコを贈る習慣もよいけれど、バレンタインデーには心をこめて手紙を書こう。日本製紙連合会がそう呼びかけて8年目の冬を迎えた。とにかくネットで用が足りる時代、あえて紙に書くことを条件にしたコンテスト。過去7年で2万4千余通が寄せられた▼20歳の女性はアルバイト仲間の男性に宛ててつづった。「バイト終わりに終電に向かって2人で走るあの時間が大好き。間に合ったーって笑いながら乗る電車が楽しくて。でも本当は終電なんか逃しちゃえばいいのに」。迷って消した跡が何行もある▼夫婦の手紙も多い。「仕事しか出来ない人。俺が稼いでるんだと上からの人。結婚22年なのに私の誕生日を覚えていない人。でも私がいないと駄目みたいだから、隣にいてあげる」と56歳女性▼大学受験をめぐって54歳男性が長男に。「春に『浪人したい』と言ってきた時、オレは怒鳴りました。10代の1年をムダにしてほしくなかった。しかし、お前はテレビも見ず、必死の姿を見せ続けてくれた。結果はまだわからないが、お前は合格、父親のオレは不合格やね」▼短い書簡は想像を誘う。「たまには実家に帰りなさい。コロッケあるよ」と32歳女性が弟に。「離婚してしまったけど落ち着いて考えるとやっぱり好きかも」と43歳の女性が元夫につぶやく▼主催団体の事務局で各年の受賞作を読んだ。誤字など愛嬌、はやる心が脱字に表れ、書き直しは誠意を伝える。読むほどにジンとくる。自分あての手紙ではないけれど。

      誤字など愛嬌、はやる心が脱字に表れ、書き直しは誠意を伝える。
             読むほどにジンとくる。自分あての手紙ではないけれど。


  



サイト内検索