生徒玄関に見事な扁額があります。
近くを通りかかった女生徒に聞いてみました。「何て読むか知ってますか?」
「え・・・みがいたぶたをさっさときる!ですか?」
(磨いた豚をサッサと切る・・・・と読んでいるのか。これは大変なことになっている・・・・)
さっそく取材班を組んで、学校の近くの比嘉幸太郎先生のご自宅を訪ねることにしました。比嘉幸太郎先生はこの扁額の制作者であり寄贈者です。取材メンバーは生徒会代表です。取材班の報告書から紹介します。
○切磋琢磨の読み方とその意味は
「せっさたくま」と読みます。玉や石などの宝石を磨くように、道徳・学問・技芸に努め、励んでやまないこと。仲間同士で互いに 励まし合い、競い合って学徳を向上すること。
○なぜこの言葉にしたのですか
当時、嘉數中には23本もの優勝旗があり、この言葉しかないな、と思った。
○黒と金色ですが、どうしてこの組み合わせにしたのですか
黒ではない。深い藍色です。漆塗りで仕上げてあります。金色もペンキではない。本物の金箔で厚さが0.07mmです。手では作業できないので竹を材料に自分でピンセットを作って貼り付けました。また字を浮きだたせるため波形に彫り込んであります。波は深さが1cm、波の頂点は1.5mmにそろえて彫りました。
毎日通う学校、生徒玄関、そこにある扁額が何であるか。生徒の感想です。
「話を聞いて驚いた。びっくりした。こんなにすごいものとは知らなかった。」
「幸太郎先生の家もすごかった。みんな木でできていた。」
「嘉数中学校にも勤めていて、その頃優勝旗が23本もあって立てるところがなくなって幸太郎先生が棚を作った話にも驚いた。嘉數中のすごい先輩達のことをもっと知りたいと思った。」
「金箔とか漆とか、特別のものを自分で自由に使っているのがすごい。この額の字も幸太郎先生が書いたもので、その筆もあだんの木の繊維を使って自分で作ったものを使ったそうです。すごすぎる。」
その他、感動の言葉が熱く、熱く続きました。
最後に玄関先で記念撮影。訪ねる前とその後で、顔つきが変わってますね。一流との出会いはやはりちがいます。心から感謝します。
物事は
見ようとしないと見えてこない
聞こうとしないと聞こえてこない
大切なものを後からくる後輩へ きちんと伝える責任があります