嘉数中に新しい風を!
「道」であれ 〜第41回定期演奏会によせて〜
第41回定期演奏会が開催されることを心から喜びたいと思います。学校長として生徒達にはすべての部活動は「道であれ」と話しています。空手道、茶道、華道と同じように「吹奏楽道であれ」と。勝つためだけではなく、その活動を通して学んだことを日常生活の中で、稽古場以外でその心を保てる「道」の集団であれ、と話しています。その「道」を突き進む子ども達に今年8月、日本マーチング協会沖縄支部から、「2018香港国際マーチングフェスティバルへ嘉数中学校の推薦が決定しました。」という一報が入った。推薦の理由は、これまでの実績、現在の活動状況、そしてこれからも活躍が期待されることなど、単年の結果だけではなく長期的視点に沿った推薦内容で、嘉数中学校吹奏楽部の「道」の評価そのものでした。
多感な中学生にとって、一つのことを続けるのはたとえそれが自分の好きなことであってもたやすいことではありません。大会へ参加すれば結果も伴います。しかし思うような結果が出なくても、苦しくても、それを乗り越え、続けていれば、応援する人は必ず現れます。今回香港国際フェスティバルへの決定通知を受けたとき、そのことを実感しました。そして昨年のマーチングコンクールの表彰式の子ども達の姿が真っ先に浮かんだ。
その時の様子を記録した嘉数中学校公式ホームページの「嘉数中日記」9月11日版をご紹介して挨拶といたします。
平成30年12月9日
学校長 仲田 丘
嘉数中日記
平成29年9月11日版 「9月9日 マーチングコンクール」
吹奏楽部は7月の吹奏楽コンクールが終わってから、活動の全てをこの大会にかけて打ち込んできました。スクールバンドなので学校行事、野球部の応援と、多くの対外行事に協力しながらの練習日程でした。特に夏休みから先週までの一ヶ月は陸上練習から始まり全力でここまでやってきました。日頃から頭・心・体を学校生活で鍛え、その上にさらに部活動で技と心を鍛え上げるという「道」の精神です。
コンクール当日学校を出発する際、練習中の陸上チームのメンバーがグラウンドで一列になり、みんなで「フレー!フレー!嘉数!」のエールを送ってくれました。吹奏楽部のみんなも一列になって「ありがとうございます!がんばります!」と笑顔の返事。イキなことをやってくれる陸上部、いつもみんなを支えてくれている吹奏楽部、お互い愛され、大切にされるチームがそこにあります。
本番はプログラム4番目。洗練された透明感のあるサウンドが心地よく響き渡る中で見事な演技だった。本当に素直な音と一生懸命の演技に感動した。そして結果発表と表彰式。金賞を取ったが惜しくも派遣はならなかった。歓声と落胆が同居する独特の会場。しかし、この日最も胸をうつ演奏はそこから始まった。この日の式典音楽担当は嘉数中学校。生徒達は喜びに沸き代表杯を受け取る他校のその姿を見ながら得賞歌を演奏したのだ。胸の内は察するにあまりある。しかし、その演奏は音の入りも、サウンドも、何一つくずすことなく完璧な演奏だった。指揮をする安仁屋先生、楽隊の後ろで待機する亜紀先生。見つめる嘉數中応援席。
これほどの深い思いで聴く表彰演奏は記憶にない。結果は出た。素直に受け止めたい。しかし、本物を追求し続けた者だけが届けてくれる感動がある。張り裂ける胸の思いを立て直し、直立で完璧に演奏を続けた嘉数中学校吹奏楽部を心から尊敬する。喜びは希望を与え、悔しさは人間を強くする。悔しさを乗り越えて、強くなって、ひとまわり成長して、また進むのです。
苦しくても続けていれば応援する人は必ず現れます。あなたが真剣であれば。
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