嘉数中日記第372回  平成31年3月7日

式典準備始まる  本物を求めて


二日後に式典を控え、2年生が準備に入った。体育館で作業の振り分け、確認。

作業開始!これまで鍛えた「知・徳・体」そしてそれを支える美徳「忍耐・謙譲・調和・勇気」

迷うことなく、流れるように作業は進みます。







大壁画は美術部が担当。細かな色紙を丁寧に丁寧に貼り続けます。





嘉数の校舎に観覧車、パワー爆発!宇宙ロケット、無数に浮かぶ気球、膨らむ雲、魚の群れが流れて、KAKAZUブルーが舞台いっぱいに広がる。素晴らしい夢とファンタジーにあふれた見事なデザインです。
嘉数中学校「星の王子さま」の世界です。

お客様の靴箱。心を込めてすみずみまで。

蓋を外して、底の底まで徹底します。

記念撮影用の花の設置。3月9日目指して逆算した9月のころ。いよいよ明後日になりました。計算通りです。

こちらは式典会場用。着々と進みます。

卒業生の椅子の配置に入ります。

縦横、1ミリにこだわって作業します。

こちらは受け付け。

プログラム。ここもやはり1ミリにこだわって作業は進みます。

こちらは校長室。266名の卒業証書の仕上げが進みます。

仕上がった証書を一枚、一枚ホルダーに収め、学級ごとにまとめます。



義務教育終了の証。一つ一つの作業に神経を使います。

明日は1,2年生は椅子を体育館に運び、試演があります。総力線です。義務教育最大の式典です。

保護者の皆様へ                                                               宜野湾市立嘉数中学校
最後の授業「卒業式」へのお願い                                          校長  仲田 丘

                   
               どうして花束や風船、お菓子は駄目なんですか?

 
 嘉数中学校の教育活動につきまして、日頃から御理解と御協力を賜り深く感謝申し上げます。
 嘉数中学校では、「在校生、保護者をはじめ、地域の方々に祝福される感動的な卒業式」をめざしてこれまで取り組んで参りました。お陰様で昨年度は、関係各位のご協力により、大きな感動と共に卒業式を終えることができました。

  昨年、卒業式が終わり、お誉めの言葉をたくさんいただきました。しかしその中で「どうして花束や風船、お菓子の贈り物は駄目なんですか?」という質問も多くありました。このことについて改めてご説明いたします。
  まず卒業式の式典そのものがすべて生徒、職員のみで行われていることです。
会場の内外を飾る花はすべて美化委員が育てます。今年も2019年3月9日(卒業式)に満開になるよう逆算して学校で大切に育てています。その数3000本です。会場設営は全校生徒で、舞台の壁画は美術部が、式典演奏は吹奏楽部、合唱練習、送辞、答辞、トイレの清掃、スリッパの準備・・・・・・企画、立案、運営、そして片付けまで、そのすべてを生徒職員で行います。当日は1300人規模の大イベントです。これほどの規模の式典を自分達で準備し、さらにその主人公は自分達なのです。式典は3時間。生徒達の力が試されます。頭、心、体、すべてはこれまでの日常の積み重ね。普段やってないことをこの日だけ出来るということはありません。本番までに卒業証書授与などの試演はありますが、それ以外はシナリオを各担当部署が読み込んでの一発勝負となります。3年間学んだすべてを出し切って式典を成功させ学舎を後にする、それが最後の授業「卒業式」なのです。
 昨年度式の後、ある運動部の保護者の方が「3年間休みの日も含めて本当にお世話になりました。お礼に心ばかりのものを差し上げたいのですが、贈り物は遠慮して下さいということですのですみません、本当にありがとうございました。」と顧問教諭と言葉を交わす場面がありました。
 校門を出た後、道の向こうで高校生がお菓子のぶら下がった帽子を卒業生にかぶせました。しかしすぐに帽子をとり「すみません、ここでは受け取れません」と返す場面もありました。
 ここに本物があると思います。
3年間心を込めて時間をかけて感動と共に作り上げた「自信」「誇り」「他者への配慮」
がそこにあります。
卒業証書と一輪の花を抱いて、祝福の言葉に包まれる最後の授業を見守って下さい。

   大切なものは心で見ないと見えてこない
   大切なものは見ようとしないと見えてこない

  この言葉を最後の日まで、子ども達と実現できればと考えています。



   ※詳しくは嘉数中学校公式HP 嘉数中日記第247回 「圧巻の卒業式 三時間の静粛」
                  嘉数中日記第248回 「本物を邪魔するもの」
                               をご覧下さい。